# 015
KEITH GOLDSTEIN
December 07, 2014

GENRES
地域
被災地で活躍するイスラエルNGO職員
被災地で活躍するのは日本人だけではない。遠くイスラエルからもNGOが派遣されている。今回は日本語を含め8ヶ国語をマスターしているというキースさんにお話を伺ってきました。シーシャという水タバコやバックギャモンというゲームなど、中東では常識なものにれみが初挑戦!!(※初挑戦の動画あり)
Reported by Editor Remi
ー 今日はよろしくお願いします!!早速ですが、現在の活動内容を教えてください。
今は、IsraAID/JISPという東北の支援活動をしているイスラエル発のNGOに所属しています。私は震災後の現地調査をメイン活動としていますが、他にもこの団体は心のケアのための講演会や、ヒルトンと協力して被災地の高校生のリーダーシッププログラムなども開催しています。現地調査というのは、ボランティア現場でのインタビューを通じて、どのような支援活動があり、どのようなニーズがあるのかを調査することです。私の行っているStorytelling Projectというコミュニティ活動の調査プロジェクトはGlobal Givingというアメリカの財団からのクラウンドファンディング(※1)の支援で活動しています。そこから東北支援の為に寄付されるお金がどのように使われているかをフィードバックし、ちゃんとした使われ方がされていることを調査するのです。
※1…不特定多数の人がインターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力を行うこと。(crowd funding)
被災者だけでなくボランティア活動をしている人などからも幅広くヒアリング
ー なるほど、このNGOの活動はどのくらいの規模で行われているんですか?
IsraAIDは2001年に発足し、イスラエルの危機的状況の経験を生かして世界の危機解決サポートのために活動しています。現在では東南アジア、アフリカなどをはじめ世界40カ国以上で活動しており、最近ではハイチ、南スーダン、フィリピン、そしてこのたび東日本大震災を機に日本の被災地への援助が開始されました。日本での活動人数は、私とイスラエル人2名と日本人3名の計6名です。私たちはワークショップやセラピーなどの学習方法を教えることで、心のケアを広げる活動(ヒーリングジャパン)とビデオアーカイヴ(東北の声)、コミュニティ活動の調査(ストーリーテリング)などをしています。
ー キースさんは今35歳(取材当時)ということですが、生い立ちやこの活動に至ったきっかけについて少し聞かせていただけますか?
私はアメリカのシカゴで生まれました。私の家族は生まれも育ちもシカゴなので基本的に英語しか話せません。私の祖父母は元々ポーランドに住むユダヤ人で、第二次世界大戦前にアメリカのシカゴに移住しました。私は19歳の時ベルギーの大学へ留学し1年半ほどの滞在で哲学を学びながら、オランダ語、スペイン語、イタリア語を習得しました。帰国して卒業後の22歳の時、日本の大使館を通じて文部科学省へ申請し、愛知県で高校の英語教師として働き始めました。そこで日本語も勉強しながら米国の大学の通信学習で教育学の修士号を取得しました。その後はピースボートでスペイン語の教師・通訳・ガイドの仕事をしました。
ー なるほど、修士まで取得しながらたくさんの言語を勉強されたんですね!!それではキースさんはアメリカ人ということですか?
私はアメリカとイスラエルの国籍を持っています。イスラエル国籍の話はこれから出てきます(笑)。
ピースボートの仕事を終えてからは中国、インドで大学や様々な活動を経て、2005年(26歳)にイスラエルへ行き、そこでイスラエルの国籍を得ました。イスラエルではユダヤ人3世まではそれを証明ができれば簡単に国籍を得ることができるので、入国後すぐに入手しました。なので、私の家族でイスラエル国籍を持っているのは私だけなんです。イスラエルでは政治学の修士を学びながら社会学・人類学の博士号を取得し、教育組織で働き始めました。その間もドイツへ博士留学や米国ミシガン州への留学も行いました。その8年ほどの間にヘブライ語やアラビア語も習得しました。