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CONCEPT
これからのかっこいいライフスタイルには「社会のための何か」が入っている。社会のために何かするってそんなに特別なことじゃない。働いてても、学生でも、主婦でも日常の中でちょっとした貢献ってできるはず。これからはそんな生き方がかっこいい。r-libではそんなライフスタイルの参考になるようなロールモデルをレポーターたちが紹介していきます。
# 017
SO YOSHIDA
December 25, 2014

r-lib | 安岡 あゆみ × 吉田 創 人間は正論だけ言っても通じない

GENRESArrow教育

人間は正論だけ言っても通じない

アメリカで生まれたファシリテーション。人種の坩堝であるアメリカのような国では、異なる価値観の人々が一緒に暮らしていかなければならなかったため、「話し合う」ということはとても大切だった。今では世界の多くの国で受け継がれている。

Reported by Ayumi Yasuoka

相手や状況に応じて関わり方を変えないと、人間は正論だけ言っても通じない


ー なるほど!!そういうのがファシリテーターの技術なんですね。

 ファシリテーターとして大事なことは、その場で起きてることを把握する「観察力」なんです。自分の意見は一旦脇に置いておいて、まずはその時の状況や相手の立場を感じ取る。そして相手に合わせて言い方やアクションを変えていくってことが大切なんですね。観察して、どうしてこんなことが起こっているのかを考えて、その場で最適な行動を実際に何かやってみる、もしくはあえて何もしないでみる。何もしないっていう行為は非常に大事なスキルでもあります。ただ見守るというか。


ー なんかそれって恋愛と似てますね。恋愛に使えるスキル多くないですか(笑)?

 そうかもしれないですね(笑)。状況や、相手に合わせて言い方を考えるって、ファシリテーションする上でとっても大事なことなんですよ。例えば、Aさんに頑張れって言われるとなぜかやる気がでるけど、Bさんに言われると「お前に言われたくねぇよ!!」って思ってしまうこととかありますよね。理屈を伝えてもうまくいかないことって多いんですよね。関係性ってホントに重要で、まずは相手との関係性を良くしておかないと、人間って正論だけを言っても通じないものなんです。だからコミュニケーションの質と関係性の質を上げていかないといけないんです。そういう部分は確かに恋愛でも使えるスキルかもしれないですね(笑)。




ー ファシリテーターをやって一番心に残る案件だったり出来事ってありますか?やりがいを感じた瞬間とか。

 ある企業で合宿の研修をさせてもらった時の話しなんですが、合宿の最後に一番末端の社員で物静かそうな子がトップの人に「あなたは人の話を聞かない」って涙ながらに言ったことがあったんですよ。そしたらそのトップの人は「ごめん」って言ってそのあとに自分のことを語りだしたんですよ。実は過去にこういう経験をして今があるんだって打ち明けたら、他のメンバーはそのトップの人の思いに気付けなくてごめんなさいってなったんですよ。これは凄いことだなって思いましたね。今までなんか変だなって思いながらも我慢していた人の一言がキッカケとなって、組織の結束力やモチベーションが高まったりするんですよ。その時は、そういう場に一緒にいさせてもらったことに感謝しましたね。僕が関わる中で、そういった人たちが一人でも何か言いたいときに言えたり、やりたいときに行動できたりする人が出てきてほしいし、その現場にいることに感謝しています。



ODNJ2014年国際大会のホスティングチーム



ファシリテーターが市長になった富山県氷見市役所で職員向けにワークショップを開催

自分が人からどう見られるかより、自分が何をしたいのか、に気づいてほしい

ー そういう意味では吉田さんの仕事上のモットーみたいなものって、自由に言いたいことを言える環境だとか、行動できる環境を作ってあげるっていうことなんですか?

 というよりはコミュニケーションの質を高めてあげることですね。よくリーダーがビジョンと目的、やり方を示して、あとのやる気はお前たち次第だっていうのがあるじゃないですか。要するに主体性やモチベーションを個人のモノにすることが多いんです。実際そんなことではなくって、この人とだったらやってみたいなとか、このチームだと面白いなとか、そういうのあるじゃないですか。ある人に一緒にやろうぜって声をかけられたことと、他の人に声をかけられたのでは全然成果が違うんですよ。我々は誰とでも仲のいい関係なんて作れないし、この人だから話せるとかこの人だから聞いてみたいっていう関係がある。そういうコミュニケーションの質が高い状態にもっていきたいなって思っています。



対話の学校の風景





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吉田 創

吉田 創SO YOSHIDA

PROFILE

-

リーダーシップトレーニング、チームビルディング、ファシリテーションなどの研修トレーナーや組織開発のコンサルタントとして活動中。アメリカでの起業、多民族との貿易、IT企業の経営、M&Aなど、20年以上幅広い企 業現場での経験がある。また、ファシリテーションの源流にあたるTグループは30回以上トレーナーを務めた。
幅広くプロセスを見る力とそれに伴うフィードバック、現場の実情に即した施策提案力には定評がある。沈黙や緊迫した状況に動じず、学習者の考えと気持ちに寄り添ったファシリテーションが持ち味。

経歴

1974.01.19
群馬県高崎市に生まれ、群馬県安中市で育つ

1986.04
新島学園中学校入学

1989.04
6年一貫校にもかかわらず、つまらなくなったので地元の公立高校を受験。群馬県立高崎高校入学

1991.06
映画の仕事を目指すために渡米。実は大学受験から逃避するためといううわさも。
テネシーのど田舎の高校、Obion County Central High Schoolへ スクールバスで片道45分かけて通う。

1992.08
Santa Monica Collegeに入学。予定では2年で卒業して4年制にトランスファーだった。

1992.12
カリフォルニア州にて人生最初の起業。主にアメリカから日本へ衣料を送る。
その後アメリカにて社長職を数社しながら、大学は放置。。。

1993.08
チョコレートパルフェを食べているときに、下半身不随に。脊髄を開ける手術をする。

1997.08
アメリカから日本の物流は終わったと思い。アジアとコンピューターをキーワードに帰国。サラリーマンを2年経験。

1999.07
ネバダ州にてCreative Communications Inc.創業。代表取締役に就任(2000年日本法人設立に伴い廃業)

2000.04
日本にて㈱クリエイティブコミュニケーションズ創業。代表取締役に就任(現任)
電話関係のシステムを構築。一般的にはIT系。

2002.04
㈲しーこむ創業。取締役に就任(現任)

2010.05
ヒューマンライフセンター:トレーナーに就任

2010.11
みんなの株式会社創業
タイワハウスオープン

2011.04
対話の学校開校

by 安岡 あゆみ
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