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CONCEPT
これからのかっこいいライフスタイルには「社会のための何か」が入っている。社会のために何かするってそんなに特別なことじゃない。働いてても、学生でも、主婦でも日常の中でちょっとした貢献ってできるはず。これからはそんな生き方がかっこいい。r-libではそんなライフスタイルの参考になるようなロールモデルをレポーターたちが紹介していきます。
# 024
HIROMI MASTUBARA
April 24, 2015

r-lib | 長谷川 あや × 松原 広美 サーフィンを通じて社会貢献を

GENRESArrow環境

サーフィンを通じて社会貢献を

 国際環境NGO「サーフライダー・ファウンデーション・ジャパン(Surfrider Foundation Japan)」の代表理事の松原さん。大好きなサーフィンを通じて社会貢献活動をされています。元々は帰国子女で、外資系企業の金融部門で働くキャリアウーマンだったということですが、そのライフスタイルの変化のきっかけなど、いろいろとお話を伺ってきました。

Reported by Aya Hasegawa


ー 今日はよろしくお願いします。それではまず、現在の活動内容を教えて頂けますか?

 国際環境NGO「サーフライダー・ファンデーション・ジャパン(Surfrider Foundation Japan)」という、海の環境保護に努める団体の日本支部の代表理事を務めています。主な活動は海岸の保全・保護・調査ですが、環境教育を通じて多くの人に海の楽しさ・大切さ・素晴らしさを伝えることも重要な活動内容のひとつです。


ー 活動を始めようと思ったきっかけは何ですか?

 サーフィンが好きで、海からもらったたくさんの気付きがあって一生遊ばせてもらいたいフィールドだからこそ、何か自分にもできることはないか、という純粋な気持ちがありました。自分の持っている経験や知識を活用して出来ることを考えている時にこの団体に出会い、10年程前からボランティアとして関わり始めました。





ー サーファーでなくても参加出来ますか?

 出来ます!!海が身近にない人にとっては、海の問題や状況を、「自分ごと」として理解したり感覚的に捉えることは難しいかと思いますが、海はみんなのものです。たくさんの人が海を身近に感じて、その楽しさや豊かさを大切に思い、これからもその環境が守られるよう行動して海を愛してほしいですね。だからできるだけ幅広い人達に関わってほしいと思いますね。


ー 活動への参加が海をもっと好きになったり、身近に感じるきっかけにもなりそうですね。具体的なボランティアの活動内容を教えて頂けますか?

 ボランティアの事業は主に3つです。1つは海岸の保全・保護のために定期的に行っているビーチクリーン。少なければ仲間だけで数人、多いとイベント形式で100人くらいの規模で行います。サーフィンや散歩のついでに、ゴミを見つけたら片手で拾う(one hand beach cleanup )くらいの意識で習慣的に行うようになればベストですね。どなたでも気軽に参加出来ますよ。
 2つめは環境教育。なかなか海にいく機会がない、海から遠ざかってしまいがちな都会の子ども達に、海のことやサーフィンに親しんでもらうことが目的です。学校に出向いて海の生態系の仕組みを説明し、海をきれいにするためのアクションをレクチャーしたり、海岸で集めてきたゴミの分別・調査します。また、プールでサーフィンの疑似体験なども行っています。こちらは子どもが好きな方、海の大切さ、サーフィンの楽しさを次世代に伝えていきたい方に向いていますね。子どもたちの笑顔に囲まれてとても充実感のある活動なので、リピーターでお手伝いして下さる方が多いです。
 3つめは少しストイックなものなので、サーファーがほとんど行っているのですが、水質調査のボランティアも募集しています。陸から川をつたって海にはさまざまな人工物や汚水が流れ込みます。自分たちがサーフィンする海の水はどういう状態にあるのか、なぜ今日は臭うのか?そんな意識の高いサーファーが毎月定点観測し、海水を汲んで検査機関に送っています。



より多くの人に海の環境問題を共有し、その解決にむけた取り組みをともに考えるようなセミナー、ワークショップも定期開催。この日のテーマは、サーフツーリズムと地域貢献。



ビーチクリーンアップでは、拾ってきたゴミを分別し、世界共通のゴミ分析/調査カード(国際海岸クリーンアップキャンペーン策定)に記入し、 ゴミの問題及び海洋環境への関心を高めてもらうことを目的としている



子どもたちへのサーフィンの疑似体験授業は子どもにとっても参加するボランティアにとっても楽しいイベント!!



海で遊ぶと、子どもたちの純粋な好奇心に大人が気付かされることも多い


ー ライフスタイルに合わせた多様な関わり方が出来るんですね。水質調査までされているとは驚きました!!

 震災以降は放射能の調査も始めました。茨城・千葉・湘南・宮城の調査をしています。汚染水の行方や短期的・長期的な影響については専門家でさえ意見が分かれていることは皆さんもご承知の通りだと思います。私たちは海を利用するサーファーとしての目線、市民目線での調査を目的としていて、継続して調査をし、データを積み重ねていくことが将来的に海水に関する有効な指標づくりや基準に貢献することを願っています。


ー 放射能の調査はどのような思いから始められたんですか?

 震災が起きた時、何もできないことが歯がゆくて。また何をすればいいのか悩み、迷走した時間が多くありました。でも、サーファーとして、海に日常的に携わり、これからもサーフィンを続けていくなら、自分たちの目でみて、調べて、データを積み重ねることこそ、ミッションとしてやるべきだということで放射能の調査をスタートさせました。



プロサーファー吉川共久さんも地元の海の水質が気になり、 水質調査に協力してくれている


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松原 広美

松原 広美HIROMI MASTUBARA

PROFILE

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 国際環境NGOサーフライダーファウンデーションジャパン代表理事。サーフィン暦10年。ウィンドサーフィンに明け暮れた大学生活を終え、外資系金融機関に就職。2006年、 仲間とともに環境ウェフマカシン greenz.jpを立ち上げ、代表取締役に就任。同年SFJの活動にかかわりはじめ、六ヶ所再処理工場の本格稼働反対キャンペーンにボランティアとして参加。東日本大震災をきっかけに 、東京を離れ、自然に寄りそったシンプルな暮らしと波を求めて外房の森の中へ移住。
  J-WAVE “Lohas Sunday”ナヒケーターを経て、現在は、日本の美しい海岸環境を次世代に残す環境保護活動に従事している 。 サーフィン以外の趣味は旅と料理。

by 長谷川 あや
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