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CONCEPT
これからのかっこいいライフスタイルには「社会のための何か」が入っている。社会のために何かするってそんなに特別なことじゃない。働いてても、学生でも、主婦でも日常の中でちょっとした貢献ってできるはず。これからはそんな生き方がかっこいい。r-libではそんなライフスタイルの参考になるようなロールモデルをレポーターたちが紹介していきます。
# 006
KENICHI OIKAWA
September 11, 2014

r-lib | 斎藤 めぐみ × 及川 賢一 政治家がアートをやれば心を動かせる

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政治家がアートをやれば心を動かせる

政治についてわかりやすく話してくださったので、斎藤レポーターも納得。

Reported by Megumi Saito


ー なるほど。AKITENを初めてから何か変わった実感はありますか?

 僕たちの目標の1つに、空きテナントの空き地化というのがあります。僕らが子供のころは、町の中に「空き地」というものがありましたよね。ドラえもんに出てくるような土管が並んでいる、子供たちが集まって遊ぶような場所が。でも今は空き地も見なくなり、その代わりに「テナント募集」の看板がたくさんあるじゃないですか。平面的にみると空き地はなくなっていても、実は立体的には空いている面積はむしろ増えているんです。その空きテナントをビルのオーナーさんが開放してくれたら、例えばそこでお祭りをしたり、子供たちが遊んだり、「空き地」のような使い方ができるんじゃないかと思うんです。


ー 今では空き地がコインパーキングになってますよね。

 そうですね。やっぱりオーナーさんも土地を持っている以上、固定資産税などを払わなければならないので空き地にしておくわけにはいかないですし、空きテナントがたくさんある状況では、なかなか新しいビルを建てるのも難しいのだと思います。
 そんな状況を知っているので、たとえ数日間だったとしてもAKITENで使いたいから空きテナントを無料で貸して下さい、というお願いをするのは心苦しい部分もあるんです。
でも僕たちが提案しているのは、その空きテナントが埋まるまでの期間だけで良いので、町おこしをしたい人たちに貸してくだされば、そこに人が集まって、ビルだけではなく商店街にも人が集まるようになりますよ、ということなんです。
 八王子でも駅の近くの一等地は家賃が高くて大きなチェーン店しか入れないのですが、空きテナントを空き地のように使用することができれば、例えば駅前で高い家賃を払ったらなかなか成立しにくいアートギャラリーやファーマーズマーケットなどの企画も開催することができ、その町にしかない新しい面白い商店街作りができると思うんです。活動が3年目を迎えた今では当時の「空き地」のように使っていいよというオーナーさんが増え、そこでイベントを開く団体が増えたので、少しずつですが成果があったと実感をしています。





ー それは活性化されている感じがしますね。その活動の中でつらいことや壁にぶつかったりしたことはありますか?

 僕、あんまり落ち込まないんですよ。全然凹まなくて(笑)。その日その日では、「疲れたな」「今日お昼食べてないな」「眠いな」とかはあったとしても、長い目で見るとつらいことはなくて。やりたいことができなくなるとやっぱりつらいと思います。でも、できないことをどうすればできるようになるかが分かっているうちは、1つずつ問題を解決していくだけなので、つらいことはないですね。


ー 私もあまり辛いと感じないというか、何か失敗をしても、切り替えをするようにしています。


好きな時に、好きなことを、好きな場所で、仕事する。(自由気まま)




ー 及川さんにとっての理想のライフスタイルとは?

 ライフスタイルというと「ワークライフバランス」という仕事と私生活のバランスをどうやってとっていくかってことをよく思い浮かべると思うんですが、今の仕事はそこの切り替えがあまりなくて、何が仕事で何がプライベートかというのが良くも悪くもごっちゃになるんですね。例えば週末に政治家として市のイベントに参加したりすることも、自分が楽しんでやっているからプライベートのような気持ちもあるし、AKITENについても、自分が楽しいからやっているところもある。だからあまり仕事とプライベートの棲み分けをしないことも、ある意味理想の状態なのかなと思います。それと、市議会議員は、街の中にあるもの全部が仕事になりうるので、例えばふと通りを見ても、道路や街灯、道を歩く人の年金や健康保険、市民が通う学校や会社など、なんでも仕事になるので、仕事にしたいことがすぐに仕事になるというのも理想的ですね。今は八王子市限定なので、将来的には多摩で、東京で、日本で、地球で、と視野を広げて、今自分が作った政策や手法を試せたらいいなと思います。それこそ道路や法律が整備されていない国や地域でも、八王子市の子育てや高齢社会のありかたが、もしかしたら役に立てるかもしれない。それができたら「好きな時に」「好きなことを」「好きな場所で」という要素が加わるのでより理想に近づけると思います。





ー 今独身とのことですが、議員としての普段の生活は?

 普通の若者と変わらないですよ。運動が好きなので野球をしたり、クライミングジムに行ったり、あとご飯を作るのが好きなので料理をしたり。先月はマカロン作りとかパンケーキにはまって、ちょっと前はスムージーとかシリアルにはまったり…普通ですよ(笑)。


ー 理想の家庭像は?好きなタイプも(笑)。

 自分で全部やっちゃうので家事とかはできなくても問題無いですよ。一緒に運動できる子がいいですね。川沿いを一緒に走ったり。普段走ります?


ー 残念ながら走らないです…(笑)ところで、「議員の妻」というと大変なイメージがありますが…

 そうなんです!!それで苦労した経験もあります(笑)。
合コンとか行っても仕事を聞かれて「市議会議員です」って言うとその場は盛り上がっても、やっぱり先々が考えられないからって言われて。やっぱり難しいですよね…


ー 大変なイメージがありますね…でも及川さんは私の想像していた政治家のイメージよりずっとフランクな方だと思いますけど。

 そうですね、僕は政治家の中でも極端にフランクなほうだと思います(笑)。無所属なので、かなり自由に動けているからということもあると思います。


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及川 賢一

及川 賢一KENICHI OIKAWA

PROFILE

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東京都八王子市出身。
八王子市議会議員
NPO法人AKITEN代表理事
「恋する八王子彼女」プロデューサー

東京大学でメディア論、都立大学で経営学を学ぶ。(経営学修士)
ソニー(株)、経営コンサルティングファームを経て、八王子でcafe(W)を共同設立。
2011年に無所属で八王子市議会議員選挙に当選。
2012年より、アートプロジェクト「AKITEN」(http://akiten.jp/)を開始。
2013年より、映像コンテンツ「恋する八王子彼女」(http://www.hachi-kano.com/)を開始。

by 斎藤 めぐみ
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